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コミューンとは何か。宗教と切っても切り離せない理由やコミューンの意味などをヤマギシ会や一燈園を紹介しながら解説しました …
コミューンで有名な宗教はヤマギシ会や一燈園でしょう。
宗教に詳しい人であれば、すぐにカルト的な発想をしてしまうかもしれませんが、そういった信者・団体は一部で長続きしません。今なお現存するコミューンは正に理想郷(ユートピア)なのかもしれません。
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コミューンとは
コミューンとは最小の共同社会(自治区)です。
フランスでは市町村という概念が全てコミューンという言葉に置き換わっているくらいで、日本で使われるコミューンとは宗教的な意味合いを持っています。
基本的にコミューンは信仰・思想共同体を意味する場合が多く、新約聖書の使徒言行録にも「信者たちは皆1つになって、全ての物を共有し、財産や持ち物を売り、必要に応じて分け合う」という記載もあるようにコミューンと宗教は古くから親密な関係があった事がわかります。
コミューンの意味
コミューンは、一般的に親密な結合関係を持つ共同体、共同自治体の総称とされています。
共に参加し、共に所有することを通して、親しく交わるという意味があります。コミューンは規制の他集団に対して閉鎖的で対抗的、加えて逃避的で分離的です。そして、コミューンの特徴と言えばユートピア的様相(思想・信仰)を強く持っています。一見すると、コミューンの生活はこの世の様々な弊害を持つ生活に対し理想化された共同体と言い換えても良いかもしれません。
ようは、コミューンでは基本的に私的所有は否定され、全ての物はコミューン内で平等に分配され兄弟姉妹の関係が強調されます。また、独自の信念体系や儀礼的実践を持っているため宗教的な要素も多く、被抑圧者集団としてコミューン内ぶに新しい社会の建設を夢見、理想を目指すユートピア的色彩が強くなるのです。
コミューンの生活や特徴
コミューンは社会的または人間的な不調和、葛藤、緊張を超越した完全な人間になる事を目指すのが通例です。
混乱した世間に対し閉鎖的でありながら、一方で共同体の秩序や統制、意味や目標は重んじます。コミューンがカルト宗教・団体と呼ばれる所以の1つに、理想の実現のため、この世を社会的に改革しようとして過激な行動を取る信者が一部に存在し目立ってしまうからです。
他にも身体と心の一致を重んじる傾向があり、健康食品や民間療法の開発などに関係した生活の実験を常に試みようとします。コミューンに属する信者たちは属性を強く意識し、外集団に対する自分たちの集団のユニークさを強調するのも特徴と言えるでしょう。
自然との調和、人々との調和、心と体の調和を目指し、多くの場合は1人のカリスマ(教祖など)に帰依し、その人物を中心に集合している場合が多いと言われています。
コミューンは日本にもある
コミューンで有名な宗教はヤマギシ会と一燈園です。
三重にあるヤマギシ会は、今や日本で最大の農事組合法人です。京都にある一燈園は、小規模ながら独自に教育機関など多様な産業開発を手がけています。
ヤマギシ会
ヤマギシ会は有機農法を主体として山岸巳代蔵によって結成された農業経営を主体とするコミューンです。
ヤマギシズム社会実顕地と呼ばれるコミューンが全国に26か所あり、現在でも約1500人が共同生活を営み、山岸式養鶏法を中心にした有機農法を発展させ全国に農産物ならびに加工食品販売組織を持っています。
ヤマギシ会は「全人の幸思う物に行き詰まり無し」という無所有共同一体化を目指すヤマギシズムという伝統があります。ヤマギシ会の信者は、基本的に無給ですが衣食住が確実に保証され、原始共産制的な生活を実践しています。
一燈園
一燈園は衣食住を今日どうする共同体主義者の集まりです。
一燈園は自らが宗教団体だという事は否定していますが、毎朝の礼堂における朝課では般若心境が唱るなど宗教性は創設者である西田天香の思想的影響の元に宗教的活動を行なっています。
一燈園の宗教的な特徴は、仏教やキリスト教、また自然崇拝などの宗教的シンクレティズムだと言えます。それらを宗教的信念体系の源泉として光(おひかり)を崇拝しています。全体で300人前後のコミューンを構成しており、個々の70〜80家族がそれぞれの家に住んでいます。
一燈園はコミューンとして完成度が高いと言われる所以として、保育園から大学までの教育機関が整備され、建築設計施工、種苗販売、観光開発などを独自に産業経営をしています。それらの利益は福田(ふくでん)と呼ばれ一燈園の活動資金となっています。
コミューンの始まりはコミューン運動
11~13世紀の中世ヨーロッパでは、王や領主から特許状により一定の自治権を認められていたフランス、ベルギー、イタリア、スペインなどの地方行政上の最小単位をコミューンと呼びます。
1789年のフランス革命時、パリ市民がバスティーユ監獄を襲撃し、革命的自治団体を組織しました。市民が互いに誓約し、相互防衛と相互扶助のために団結した事をきっかけに、政治・経済活動の自由を確保するため、私有財産を否定し平等な労働を原理とする共産主義的な生活共同体をコミューン運動と呼び、コミューンの始まりと言われています。
他にも、アメリカでは社会運動として人気の集まった時期もあり、カルト宗教であるマンソン・ファミリーや人民寺院なども有名です。
まとめ
コミューンは宗教と切っても切り離せません。
コミューンの運営に欠かせない目標の1つに完全な人間になるという要素がある限り、宗教的・道徳的な理想が必要です。基盤にイデオロギー的に固定された信念の体系があるからこそコミューンは成り立つのかもしれません。
あとがき
ヤマギシ会にせよ一燈園にせよ、コミューンが目指すのは完全なる共同体です。
言わば、1つの財布、1つの釜、無給、そこにあるのは無差別平等の共同体です。果たして、本当の無差別平等が行く先にあるかどうかは別として、競争社会という資本主義への1つの希望なのかもしれません。
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