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法話と言えば瀬戸内寂聴が1番人気です。寂庵で行われる法話の会は抽選倍率もすごく参加は運任せ。浄土真宗の他に仏教諸派も参戦した法話グランプリで優勝した日本一面白い僧侶を知っていますか …
坊主は説教臭くて嫌い。
悪印象とまではいかなくても、僧侶の話は小難しくて分かりづらいと言われても不思議ではありません。そういう法話の世界で、数少ない僧侶たちに人気が集まっているのを知っていましたか?
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法話とは
法話とは仏の教えについての話です。
一般的に馴染みのない言葉かもしれませんが、説教や説法とも呼ばれています。仏典から引用した教えを日常生活のテーマに合わせて話すのが一般的です。簡単にわかりやすく言えば、オチで仏の教えを引用し、フリで日頃の悩みを話す、一種のお約束を楽しむのが法話です。
大体の流れを知っている信者や仏教マニアの人からすれば法話の面白さは、僧侶の仏典に対する理解は元より、話術などにも大きく左右されます。本来は仏の徳を、法話を聞いている人たち皆で褒め称えるのが慣習です。
瀬戸内寂聴の法話
法話で1番人気なのは瀬戸内寂聴です。
瀬戸内寂聴とは、天台宗の僧侶でありながら人気作家となり、テレビなどのメディアで見た事がある人も多いでしょう。その人柄から滲み出る法話は老若男女に関わらず人気を集めるも、瀬戸内寂聴は97歳と高齢のため法話回数は年々と減っています。
瀬戸内寂聴が法話の会とその倍率
瀬戸内寂聴が開いた曼陀羅山(京都)にある寂庵では法話の会が行われています。
毎月第3日曜日13時、参加費1000円で開催されていますが、事前申し込みを行い抽選によって参加可否が決まります。申し込みは往復はがきのみ、申し込みの受付は開催月の2ヶ月前から前月末日までとなります。ここまで手順が決まっているのも、瀬戸内寂聴が行う法要の会は参加希望者が多く倍率は約10倍とも言われています。
寂庵で行われた寂聴の法話集
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寂聴の法話集の中で最も有名なのは寂庵法話集です。
平成元年から9年に瀬戸内寂聴が行なった法話が録音されたCDが12枚セットになっています。やはり注目したいのは収録されているテーマでしょう。「祈り」のような宗教的な話から、「愛」のような日常生活で役に立つ話をきっかけに、瀬戸内寂聴の仏教の教えに対する考え方を聞いて仏教に興味を持つきっかけとなった人も多いでしょう。
新品はユーキャンで31,680円、中古でも良ければAmazonやメルカリ、ヤフオクなどでも売りに出ています。CDですから、基本的に新品も中古も遜色無いのですが、寂庵法話集の解説書や木で作られた収納ケースなどの付属品の状態が良いものは限られているようです。
薬師寺の法話
世界遺産である薬師寺で行われる法話も人気です。
薬師寺は法相宗のお寺で奈良にあり、修学旅行として盛んなため修学旅行生に向けた法話に人気が集まっています。世界遺産の団体拝観となるため拝観料を支払う必要はありますが、法話自体は無料です。法話の時間も30分と短く、高校生でも集中が続くよう配慮されています。
薬事師ではAKB48を始め、世界中のアーティストやオーケストラなどの公演舞台にもなっているため、若者からの認知度もあり法話としての評判に繋がっているのかもしれません。
浄土真宗の法話
浄土真宗は仏教諸派の中で最も法話に力を入れています。
浄土真宗は基本的に在家仏教ですから、基本的に信者との関わりは修行などではなく法話になります。浄土真宗の教えは仏教の中でも戒律が最も少ないと言われていますから、その法話は自然と共感を生み仏教で最も親しまれていると言っても過言ではないでしょう。
報恩講の法話
報恩講とは親鸞の祥月命日前後に本願寺(京都)で行われる法要です。
東西の浄土真宗で日程は違いますが、どちらも報恩講は数日に渡って行われ、その中で全国から集まった僧侶たちが法要の他に法話も連日で行われます。そのため浄土真宗の信者はもちろん、関係者以外も足を運ぶ1年で最も賑やかなイベントになります。
法話案内
法話案内が充実しているのは浄土真宗です。
その他の宗派や最寄りのお寺でも定期的に法話イベントは行っていますが、浄土真宗は法話に力を入れていますから、そのきっかけとなる法話案内は欠かせません。法話案内を探してもどの法話に参加すれば良いのか決めづらいはずです。まずは近場の法話に参加してみましょう、僧侶によって法話の質が違いますから、当り外れがある事は覚悟しておきましょう。
法話が日本一面白い僧侶
法話が日本一面白い僧侶は曹洞宗の安達瑞樹です。
日本一というのはあながち嘘ではなく、様々な宗派の僧侶が法話を競った大会(法話グランプリ)で優勝しています。安達瑞樹は学生時代に落語研究会(いわゆる落研)に所属し漫才や落語をしていた経緯もあり、法話と落語を合わせた笑ってタメになる法話が有名です。
法話にはそれぞれネタがあるのですが、今回は鈴虫を題材にした法話で評価を集めました。話口調や法話の構成もまさに落語、というより新作落語と言っても過言ではありません。
法話グランプリ
法話グランプリは様々な宗派の僧侶が集まりました。
第1回が2019年6月に京都であり、次回の開催は未だ発表されていません。全部で8名7宗派の若手僧侶が集まって法話を競い、審査基準は「もう一度会いたい」と思った僧侶は誰なのか?という切り口で評価されました。宗派を超え法話を競うグランプリは話題性もあり、2日間でチケット完売するなど宗教関係者以外からも注目を集めています。
法話のネタ
法話のネタは仏の教え、ようは仏典です。
そもそも仏教のお経には哲学的な要素があり、宗教的な好き嫌いに分かれるようなネタは多くありません。ほとんどが万人に共通した、理解できる教えです。そのため、仏教では宗派を問わず布教や伝道の基本という位置付けが法話となっています。
本質的な教えになればなるほど、抽象的なネタとなってくるため、法話のネタを僧侶がアレンジしなければいけません。まさに、そこに法話の楽しみ方というか醍醐味があると言われています。
日替わり法話
日替わり法話は僧侶でアナウンサー(川村妙慶)のブログが有名です。
ちなみに、宗派は浄土真宗大谷派でラジオやコラムも書かれています。一般的に女僧侶が法話をする機会は未だにそう多くありません。日替わり法話はあまり難しい内容でなく、視点も女性目線での切り口も多いため特に女性から人気を集めています。
通夜の法話
通夜では簡単な法話が慣習となっています。
簡単とは言いますが、短く要点をまとめ遺族に話す必要がありますし、宗派によっても死生観が違うため定番の法話は通夜にはありません。法話のテーマとして共通しているのは、故人の宗教的な行く末や遺族の心の持ちよう、そして通夜など葬儀の宗教的な意味合いなどを説法してくれるのが通夜の定番と言って良いのかもしれません。
まとめ
法話には当たり外れがあります。
瀬戸内寂聴のようにタメになるから人気なのか、安達瑞樹のように面白いから人気なのか評価は人によって違います。宗派によっては、泣き笑いを誘ったり、感動的な話をすることだけに終始してはいけないという保守的な見解もありますが、僧侶によって当たり外れを楽しめるような風土が定着すると聞きに行くのが楽しくなりそうです。
あとがき
法話と落語を混ぜるという発想は好きです。
個人的に落語が好きだからというのもありますが、教えは法話だ毛の専売特許ではありません。落語にも通じるものがあって、それを今でも支えているのが「笑い」だとするなら、安達瑞樹の新作落語を楽しみにしたいですね。すっかり、ファンになってしまいました。
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