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ヒンズー教とヒンドゥー教どちらが正解なのか。その他、ヒンズー教とは、神様や教え、食事のルールや牛に対する宗教的価値観、ヒンズー教と仏教の関係を解説しました …
ヒンドゥー教の特集はこちらの目次よりどうぞ。↓
ヒンズー教は「夢をかなえるゾウ」というベストセラーやドラマ化によって注目が集まりました。
インドで最も人気のあるヒンズー教の神様ガネーシャは日本でも人気を集め、ヒンズー教でなくともガネーシャ像が欲しいという人も現れ、一時トレンドブームとなりました。今日はそんなヒンズー教の世界に招待します。
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ヒンズー教とは
ヒンズー教はインドやネパールなど南アジアを中心とした民族宗教です。
民族宗教では世界で最も多い人口を占め、世界で第3位の信者数(11億人)を誇ります。インド国内だけでも10億人の信者を抱え、国民の約8割がヒンズー教を信仰しています。インドでは未だにカースト制度の名残りがあるのも、カースト制度の最上位を宗教的な支配者階級が占めるため、ヒンズー教が影響していると言っても過言ではありません。
ヒンズー教の神様
ヒンズー教は多神教です。
その中でも代表的な神様はヒンズー教の3大神とも呼ばれ信者の信仰対象となっています。ヒンズー教の神様が特徴的なのは、それぞれ神妃を持っているということ、簡単に言えばヒンズー教の神様は夫婦なのです。
トリムルティ(三神一体)と呼ばれ、3大神の力関係は同等で、宇宙の創造、維持、破壊という3つの奇跡は3人揃って初めてバランス(調和)が生まれると言われています。
ブラフマー神
宇宙と生物の創造主とされる神様です。
黄金の卵(ヒラニヤガルパ)という神話が有名でしょう。この神様は、宇宙に何も実体が存在しなかった暗黒時代に「地、水、風、空、火」の5つの要素を作り出しました。しかし、実体化は難しく、水中に種を蒔き、その種が黄金の卵となり、ブラフマー神は卵の中に入って、自らを実体化させ生まれたと言われています。 卵を半分に分け、天と地を作った後に、様々ななものを生み出してゆきました。
ヴィシュヌ神
この神様は10大化身(10大権現)とも呼ばれ、簡単に言えば10人に化身(アヴァターラ)ができます。
アバターという言葉の語源にもなった神様で、世界維持を役割とする神様です。仏教の開祖である釈迦はこの神様が9番目に化身したと言われています。
シヴァ神
破壊と創造の神様です。
海を掻き回し世界を作ったと言われ、日本でも人気で不動明王や大黒天として呼ばれています。この神様に関する神話では慈悲深い様を示す描写がある一方で、対照的に恐ろしい性質を見せるエピソードも多く語られているのが特徴です。
ヒンズー教の神について、詳しくはこちらの記事で解説しています。↓
ヒンズー教の教え
ヒンズー教の教えは大きく2つです。
1つ目は業(カルマ)で、簡単に言えば善悪に応じて果報を与える、ようは結果には原因が必ずあり、原因の中には結果があるという因果関係の事です。
2つ目は輪廻(サンサーラ)で、簡単に言えば、業は死によっても失われず、輪廻に伴って、代々伝えられる(生まれ変わる)という教えです。
業によって次の輪廻が決まるというヒンズー教の教えが教義の根幹とも言え、人生の時期と目的を4つに分ける四住期と言った特徴的な信仰生活を送ります。
ヒンズー教とヒンドゥー教どちらが正解?
日本では慣用表記ではヒンズー教、ヒンド教、ヒンヅー教、一般的にはヒンドゥー教と呼ばれますが、時にインド教と呼ばれることもあります。
実際に中国や韓国では印度教と呼ばれています。日本であヒンズー教とヒンドゥー教、どっちが正解なのでしょうか。
インド土着の民族宗教を包括的に意味する Hindu や一般的なヒンズー教を英訳した Hinduism など英語(発音)で見れば一目瞭然で、正解はヒンズー教ではなくヒンドゥー教です。しかし、日本ではどちらでも通じるので、間違いはなくどちらも正解と言って良いでしょう。
例えるなら、スウェーデン発祥の家具ブランドIKEAをイケアと呼ぶのかアイキアと呼ぶのかと同じような議論でしょう。(今回の記事はヒンズー教で統一しています)
ヒンズー教の食事
ヒンズー教は不殺生を基本とします。
そのため、食事は菜食主義(ベジタリアン)で肉や魚は食べず、ノンベジタリアンの人と一緒に食事することを嫌う人も少なくありません。穢れに対する意識が強く、 他者から唾液によって穢れが感染すると考えられ、 食器は使い捨てが一番清浄であるという意識を持っています。ヒンズー教に家庭で食事することを好む人が多いのは、外食の場合、同じ調理器具で肉を調理した可能性があるからです。
カーストによって、食事の禁止事項が異なる場合もありますが、一般的にヒンズー教で禁止されている食事は、肉全般、牛、豚、魚介類全般、卵、生もの、五葷(ごくん:ニンニク、ニラ、ラッキョウ、玉ねぎ、アサツキ)です。
また、一般的に右手は神聖な手、左手は不浄な手とされていることも忘れてはいけません。
ヒンズー教にとっての牛
ヒンズー教で牛(瘤牛)は神話にも出てくる聖獣で絶対に食べません。
一般的にヒンズー教では、聖牛崇拝とも呼ばれ牛自体が崇拝の対象となっています。例えば、ヒンズー教の3大神であるシヴァ神の乗り物はナンディンという牡牛だったりします。
しかし、ヒンズー教で聖なる牛とされているのは瘤牛だけで、水牛は次々と姿を変える悪魔マヒシャの化身だと言われ、牛の種類によって崇拝の対象かどうか決まります。
ヒンズー教の輪廻は上下で87段階あり、最上段の人間に輪廻する1つ前段階が牛であり、牛を殺した者は輪廻の最下段からやり直さなくてはならないという教えさえあります。他にも、牛には3億3千万の神々が宿るとヒンズー教では言われています。
ヒンズー教と牛について、詳しくはこちらの記事で解説しています。↓
ヒンズー教と仏教
ヒンズー教も仏教も同じバラモン教から生まれました。
バラモン教のカースト制度に疑問を抱いた仏陀が出家して広めたのが仏教です。その後、紀元前5世紀頃にバラモン教は内部分裂し、バラモン教から聖典やカースト制度を引き継ぎ、土着の神々や崇拝様式を吸収しながら徐々にヒンズー教が形成されました。
バラモン教の一派として生き残ったヒンズー教は、仏教を異端派と考えて仏教を迫害すると共に、インドから東南アジアに勢力を拡げました。このため、東南アジアではヒンズー教を信仰する国と仏教を信仰する国とに分かれて存在しています。
しかし、ヒンズー教と仏教はどちらもバラモン教から派生しているため、東南アジアの一部の国や地域では、両方を信仰する姿も少なくなく、ヒンズー教と仏教とが同居するようになりました。
まとめ
ヒンズー教とヒンドゥー教はどちらも正解です。
その他に紹介したヒンズー教の豆知識は日本でも役に立ちます。インドへ観光に行く際もそうですが、世界第2位の人口を(13億人)誇るインド人の訪日インド人観光客数が2016年に史上最多の12万人を超えたニュースが世間を騒がせています。日本でもヒンズー教の人達と関わる機会が増えているので、一般常識となる日もそう遠くは無いのかもしれません。
次のヒンズー教特集はこちらからどうぞ。↓
あとがき
ヒンズー教はインド国内で、2015年に初のヒンズー教比率80%割れを経験し、以降もイスラム教など他宗教への改宗が続いています。
とは言え世界トップ3の座は変わらないでしょう。トップ4の仏教は約5億人とヒンズー教の信者の半分以下で、引き続きヒンズー教の動向には注目が集まると言えます。
参考図書;バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)
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