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PL教団のPLタワーは太陽の塔(岡本太郎)ほどの奇妙さはありませんが、芸術的な宗教の象徴・シンボルとしては十分な迫力があります。今後、時を経るに従いさらに建築的な価値が高まるとPLタワーが密かに注目を集めています …
PL教団は危険なのでしょうか。
PLタワーが宗教っぽく違和感を感じる人もいるかもしれませんが、実は芸術との関係性が強い宗教という事を知れば納得で、美術館で作品を見るようにPLタワーの見方が変わります。国内でもPLタワーは有名な宗教建築の1つなので、入口はどうあれPL教団も知っておいて損はありません。
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PL教団とは
PL教団とは神道系の新興宗教です。
関西を中心にPL教団と親しまれていますが、正式名称はパーフェクトリバティー教団です。教祖は御木徳一で、現在は三代目の御木貴日止が教祖(おしえおや)となっています。何か教典がある訳でなく、その代の教祖たちが時代にあった教えを説くというスタイルの新宗教です。
PL教団の有名な考え方の1つとして、災難や不幸の元凶は全て自身の内側に秘めた心の癖にあり、これは神からの警告であると考える「みしらせ」と呼ばれる習慣です。今でこそ原因自分論などと呼ばれ一般大衆にも認知されるようになりましたが、最初に言い始めたのはPL教団です。
「人生は芸術である」というテーマを持つため、一見して自己顕示欲の強い集団と思われがちですが対称的な信仰のギャップに興味を持つ人も少なくないようです。
PL教団の信者数
PL教団の信者数は、最新の文化庁の統計(宗教年鑑)によると約74万人と公称しています。
勿論、この信者数はPL教団の自己申告を元にした統計ですから必ずしも信者の実数とは限りません。PL教団以外の宗教団体も併せた通例を考えると、信者数はもっと少ないと判断するのが妥当かもしれません。
また、注目を集めているのはPL教団の信者数というより信者数の激減です。全盛期(約180万人)に比べ、ここ30年で6割減で、宗教学者やアナリストによると信者の実数は数万人だとも予測されています。若者の信仰離れや少子化によって宗教業界全体で衰退しているとは言え、PL教団は最も教団勢力が衰え存続も危ぶまれる危険な状況です。
PL教団の本部にある塔(PLタワー)
PL教団は本部にあるPLタワーが有名です。
本部は富田林市(大阪)にあり、大本庁と呼ばれています。野球で有名だったPL学園、打ち上げ数が激減したと言われる花火大会も本部近隣で行われます。有名なのは本部そばにあるPLタワーです。
正式名称は超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔(略称;大平和記念塔)で、宗教建築らしい変わった塔がPLタワーで、富田林市に入れば遠くから(近隣都市の堺市から)でも目に入ります。
言い方を変えればPLタワーは芸術的で、「世界はひとつ」と天を指す手を表現していると言われ、二代目の教祖(御木徳近)のデザインを元に日建設計が設計しています。PLタワーは人種、民族、国境を超え、宗教的信条を超え、あらゆる戦争犠牲者の霊を祀る事を目的に建設され、人生は芸術だというPL教団のシンボルとなっています。
PLタワーの参拝・見学のコツ(注意点も)
PLタワーは信者だけでなく一般見学できます。
PLタワーは高層・中層・低層に分かれ、PLタワー内には神殿と呼ばれる慰霊碑のような空間や、ちょっとした常設展(教団史展)もあり、以前は入場料を支払って見学していましたが、現在は展望台など入場できない階層が増え、無料で開放されています。
PLタワーは信者以外の誰でも参拝でき、信者など限られた人やタイミングで一般禁止エリアも開放されるようです。PLタワーの営業時間は午前10時から午後4時まで、定休日は水曜日と教団行事の際には営業していないため、見学の前に電話(0721-24-1111)で確認するのも手。
PLタワー入場の際には1階で受付を行い、PLタワーの見学者が少ない時には、教団スタッフがガイドしてくれるようです。高さ180mのPLタワーは迫力があり見応えもありますが、展示物も多いためちょっとした美術館のような雰囲気を味わえるのがPLタワーの醍醐味です。
ちなみに、PLタワーの最寄り駅は富田林駅(徒歩19分)、PLタワーの駐車場は無料です。PLタワーへのアクセスはPL病院側の道路だけで他の敷地内は通行止め(閉鎖)されているため、Googleマップなどで他の経路を案内されて迷わないように。
PL教団は危険なのか
PL教団は危険だという話をあまり耳にしません。
新興宗教の中でも歴史が古く、危険だと感じるような事件や問題も起きていません。多くの場合、宗教という性格上、一部におかしな信者がいて問題行動を起こすのが一般的ですが、評判もそう悪くありません。よくあるカルト教団のように危険で致命的な事件が今まで起きていないのは評価すべきでしょう。
一方で、初代の教祖が信者の娘を強姦し逮捕されています。その当時は戦前(日中戦争より前の満州事変があった1931年)で、国家神道の名の元にあらゆる新宗教が弾圧を受けた時代ですから、その真偽は定かではありません。しかし、もし仮に事実であれば、とんでもない教祖が生み出した危険な宗教と言っても良いのかもしれません。
PL教団に芸能人・有名人がいるか
Pl教団に芸能人や有名人はいるのでしょうか。
PL教団と言えば、PL学園が甲子園で活躍するイメージを持っている人も少なくないでしょう。勿論、その中からKKコンビ(桑田真澄、清原和博)などのプロ野球選手を輩出しているため、芸能人でなくても有名人でPL教団の信者はいても不思議ではありません。
しかし、前田健太(マエケン)もそうですが、PL学園の出身だからと言ってPL教団の信者と決めつけるのは早計かもしれません。芸能人というより、ほぼ全てPL学園出身のプロ野球選手ばかりが信者だと噂されています。
確かに信者の家系はPL学園に入学しますが、PL学園の硬式野球部は完全外部スカウト制で、信仰とは関係なくリトルシニアやボーイズリーグから専属スカウトマンによって選ばれていました。後に一般入部も受付るようになり断言できなくなりましたが、卒業後の関係性(特に信仰)はあまり強いとは言えないでしょう。
PL教団の葬儀
PL教団葬儀は神式の神葬祭とほとんど同じです。
葬儀に対する考え方も共通しており、故人を家に留めて守護神とするために葬儀を行います。一般的な通夜(通夜祭)を行った後、葬儀・告別式と同じ意味合いの葬場祭が行われます。
一般的な神式の葬儀と同じように玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行うため、初めて神式の葬儀に参列する場合には作法(やり方)は事前にチェックしておきましょう。
一般的な喪服で構いませんが数珠は使いません。また、不祝儀袋(香典袋)の表書きは、御霊前や御玉串料などを使うのがマナーです。挨拶をする場合にも神式の葬儀では冥福、成仏、供養などの仏教用語は使わないため注意が必要です。
PL教団の内紛
PL教団には内紛の経験があります。
PL教団の勢力が衰え存亡の危機とまで言われるようになって、内紛が表面化したと言っても良いでしょう。経営や実利を考えたPL教団と不採算部門のPL学園との内紛、教祖信仰に近い教義のため代替わりによる信者離れや派閥争い(保守派など教団内での反勢力グループ)など大きく3つの内紛テーマが注目を集めています。
PL教団の真実
PL教団の真実は一体どうなっているのでしょうか。
何か陰謀論めいた話は耳にしませんが、信者数が右肩下がりで教団勢力が衰退していく中で全国の支部や施設の統廃合が目立っているようです。身の丈にあった規模で運営するのは宗教団体の経営でも同じで、今後はますます資産売却などで注目されるでしょう。リサイズが進む中で最後に残ったものが真実というシナリオだってあるはずです。
PL教団の花火大会
PL教団の花火大会は未だに全国有数の花火大会です。
亡くなった教祖を偲ぶために行われている教祖祭PL花火芸術は、関西で1番とも言われていましたが、現在はPL花火大会も年々と縮小傾向にあります。しかし、それでも複数の場所で尺玉の同時打上げは迫力があり、根強い人気を集めています。
近隣住民の配慮や警備上の問題と公表されていますが、花火大会の予算を捻出する経済的な余力が衰えていると、その真実を察するのは容易です。
公式の有料観覧席も廃止、さらには花火大会はあくまで教祖祭というお題目となり、日時や打ち上げ数は信者のみにしか共有せず一般的な広告など対外PRはしなくなり、当然ながら見物客も大幅に少なくなったと言われています。ただ、基本的に花火大会のある教祖祭は毎年8月1日、打上時刻は20時からとおおよそ決まっています。
まとめ
PL教団のPLタワーは一見の価値があります。
前途した太陽の塔ほどのインパクトは無いにしろ、PLタワーの芸術性の高さは素人が見ても一目瞭然でしょう。デザインや現代建築、ましてや宗教建築などに興味を持つ人は勿論、一般人も近くに寄ったら参拝してみるのも手。
あとがき
PLタワーは遠いので注意しておきましょう。
堺市の展望ロビーからも余裕で見えますが、大阪市内から行こうとすれば少し距離があります。せめて、堺市に観光や旅行で行く予定があるなら、PLタワーに寄ってみても損はありませんよ。
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