イスラム教の聖地は大きく7つあります。第一聖地であるメッカ、第二聖地であるメディナ、第三聖地であるエルサレム。イスラム教に共通する3大聖地が聖地である理由を解説しています …
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第5回 イスラム教の聖地は7つ！宗派に共通する3大聖地とは？
第6回 イスラム教徒が世界から注目される理由【2019最新版】
第7回 イスラム教国とイスラム国家の違い【イスラム教の教科書】
イスラム教には共通した聖地が3つあります。
イスラム教でも宗派によって聖地が増えたりしますが、聖地として有名なエルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地が集中する国際的な宗教都市だったりします。宗教それぞれで聖地たる所以がありますが、イスラム教の聖地は一体何故、聖地と成り得たのか紹介します。
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イスラム教とは
ユダヤ教、キリスト教の流れを汲む世界3大宗教の1つです。
特にユダヤ教の伝統を色濃く受け継いでおり、米調査機関ピュー・リサーチ・センターの調べによると世界の4人に1人（18億人）のイスラム教徒（ムスリム）を抱える世界第2位の宗教、それがイスラム教です。
宗教学者やアナリストの分析によると、現時点でムスリムの拡大速度は世界3大宗教と言われるキリスト教や仏教を抑え、第1位となっています。このままムスリムが増加すると、2060年にはキリスト教と拮抗し、その後は世界最大の宗教となると世界中から今、イスラム教は注目されています。
聖地とは
宗教の開祖や創始者に関する重要な場所です。
聖地の多くは伝承される奇跡や霊的な出来事の舞台となった場所のため、聖地を巡礼する事で聖なるものに少しでも近づきたいという宗教的活動の1つともなっています。
キリスト教の聖地はエルサレムを始めとした4つの聖地があり、仏教には八大聖地（または四大聖地）と言われ、世界の宗教の多くはそれぞれ聖地を持っています。
宗教以外でも聖地という言葉は最近になってよく使われるようになりました。映画やドラマのロケ地、アニメのモデルとなった場所巡りを聖地巡礼と言ったりする事もあります。意味合いとしては、宗教で使う聖地と共通した部分もあります。
イスラム教の聖地
イスラム教は3つの聖地があります。
第一の聖地とされる「メッカ」、第二の聖地「メディナ」、第三の聖地「エルサレム」の3つです。イスラム教の9割はスンナ派という宗派ですが、実は宗派によって聖地も異なります。
異なるというか、全てのムスリムの聖地であるマッカ、メディナ、エルサレム（アル＝クドゥス）に加え、イスラム教の第二勢力と言われるシーア派は歴代イマームの霊廟のある都市も聖地としています。
霊廟4都市（ナジャフ、カルバラー、バグダード近郊のカーズィマイン、サーマッラー）と呼ばれていますが、今回はシーア派独自の聖地は端折り、どちらの宗派にも共通したイスラム教の聖地であるメッカ、メディナ、エルサレムを紹介します。
メッカ
メッカはイスラム教最大の聖地です。
サウジアラビアにあるマッカ州にある州都がメッカで、イスラム教徒であるムスリムは1日5回決まった時間にメッカに向かって三度礼拝を行うのは有名です。メッカが何故、聖地とされているのか。それは、メッカがイスラム教の開祖である預言者ムハンマドの生誕地であるからです。
そのため、メッカへのハッジ（聖地巡礼）は体力と財力が許す限りあらゆるムスリムが一生に一度は果たすべき義務とイスラム教の聖典であるコーラン（第3章97節）に書かれています。そのため、イスラーム暦の12月（ズー・アル＝ヒッジャ）8〜10日は世界中から聖地への巡礼が集中するため、聖地には巡礼者が絶えないようです。（毎年300万人以上）
聖地の中でも、マスジド・ハラームはムスリムにとって地上で最も神聖な場所と進行しており、ムスリム（イスラム教徒）以外の立ち入りは禁止されています。
日本でもイスラム教でなくても聖地という表現をメッカという言葉で表現する場合も多く、聖地＝メッカというのは知っている人も多いでしょう。日本以外でも、「メッカ」という言葉は、宗教的な意味に限らず、重要な場所、人を引きつける場所、あるいはどっと押し寄せた人々を表す言葉として、イスラム教徒に限らず、世界中のどこでも用いられるようになっています。
メディナ（マディーナ）
メディナはイスラム教第二の聖地です。
サウジアラビア（アラビア半島）のマディーナ州にある州都がメディナです。メディナが聖地とされる所以は、預言者ムハンマドの墓を有する預言者のモスクが町の中心にあるからです。そのため聖地メディナは「預言者の町」とも呼ばれました。
メッカと並んでメディナはイスラム教二大聖域と呼ばれ、メッカ同様ムスリム（イスラム教徒）以外の入場はできず、通じる道路の手前にある検問所より先に行くことができません。古くからイスラム教徒に変装しメディナを訪れる異教徒がおり、過去には処刑された者もいるようです。
エルサレム
エルサレムはイスラム教の第三の聖地です。
イスラエルとパレスチナ自治区にある都市がエルサレムです。エルサレムは、世界的な聖地でユダヤ教、キリスト教、イスラム教にとって共通した聖地のため、国際的な宗教都市として有名でしょう。
エルサレムがイスラム教にとって聖地である理由は、預言者ムハンマドが奇跡（メッカの神殿からエルサレムの神殿に一夜のうちに昇天する旅）を体験した場所だからです。その場所には岩のドーム（神殿の丘）が建設され、聖地の1つとされています。
ムハンマドが体験した奇跡とは、
大天使ジブリール（ガブリエル）に伴われエルサレムの神殿上の岩から天馬ブラークに乗って昇天し、神アッラーフの御前に至った
という奇跡が伝承され聖地となったようです。
まとめ
イスラム教の聖地は1つではないのです。
イスラム教に限らず、実は聖地って複数ある場合が多いのです。イスラム教の聖地へ巡礼する事はムスリムだけでなく、価値のある行いなのかもしれません。
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あとがき
ムスリム以外がイスラム教の聖地を訪れる場合には、やはりマナーには気をつけたいところ。
知らないうちにマナー違反をしてトラブルになったという観光客の後が絶えないようです。お互いに気分を損ねてしまうので事前にチェックしておきたいですね。
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