Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/slept/religio.jp/public_html/wp/wp-content/themes/mag_tcd036/functions/short_code.php on line 35
Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/slept/religio.jp/public_html/wp/wp-content/themes/mag_tcd036/functions/short_code.php on line 35
Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/slept/religio.jp/public_html/wp/wp-content/themes/mag_tcd036/functions/short_code.php on line 35
イスラム教の食事には禁止や制限があります。なのに、世界から注目されるには訳があります。豚肉を始めイスラム教でタブーとされる考え方に注目される理由があります。ハラルマークや、右手左手など食事の習慣もおまけで解説しています …
イスラム教の特集はこちらの目次からどうぞ。↓
第5回 イスラム教の聖地は7つ！宗派に共通する3大聖地とは？
第6回 イスラム教徒が世界から注目される理由【2019最新版】
第7回 イスラム教国とイスラム国家の違い【イスラム教の教科書】
イスラム教の食事は世界で注目されています。
その理由は、世界で最も厳格な食品ルールを守った食事で、安心・安全はもとより、美や健康、長寿に効果があるという訳です。欧米諸国ではオーガニックという言葉が先行し、まさに食文化として世界的にワンランク底上げしてくれました。日本でも注目されるイスラム教の食事について掘り下げて行きましょう。
のべ 11212 人がこの記事を参考にしています！
目次はこちら
イスラム教
イスラム教（Islam）は、ユダヤ教やキリスト教の影響を受けた唯一神教です。
中東や東南アジアのを中心に国の宗教（国教）と保護を与えている国も多く、その信仰を基にした法律（イスラム法）が施行されている国もあります。イスラム教は、世界3大宗教の1つで、米調査機関ピュー・リサーチ・センターによれば、イスラム教信徒（ムスリム）の人口は18億人と世界のおおよそ4人に1人がムスリムと言うことになります。
イスラム教の拡大スピードは世界3大宗教の中で最も早く、2060年にはキリスト教と拮抗、その後は世界で最も信者の多い宗教となるとアナリスト達に予測されています。現在でも世界第2位なので、その市場と今後のトレンドを判断してイスラム教の食事に注目している可能性も否めません。
コーラン（クアルーン）
イスラム教にとっての聖典がコーラン（Quran）です。
民法、刑法、行政法などありとあらゆる範囲（例えるなら六法全書と国際法を合わせた内容）にまで及んでいるイスラム法のシャリーアを学ぶ上で重要な第1聖典がコーランと呼ばれています。コーランの中に食事に関する記述があります。
わたしに啓示されたものには、食べたいのに食べることを禁じられたものはない。ただ死肉、流れ出る血、豚肉ーそれらは不浄であるーとアッラー以外の名が唱えられたものは除かれる。（家畜 -アル・アンアーム-6:145）
実際にイスラム教の食事で豚肉が禁じられている本当の理由はこちらの記事で詳しく解説しています。↓
ハラール（ハラル）
イスラム法において合法なものの事をハラール（haral）といい、非合法なもののことをハラーム（haram）、非ハラール（non halal)とといいます。
イスラム教のムスリムがイスラム教圏以外でも安心して食事ができるように、日本でもハラール認証という制度が一般的となっています。中東や東南アジアの国々では国としての規制があり、ムスリムだけでなく消費者のハラル認証に対するニーズが高くなるのは理由があります。
コーランでムスリムに許されている食事（ハラール）は、何を食べているのかを知ろうとする意識から始まっています。近年では「オーガニック」という基準が先進国を中心に共感され、今や世界基準となりつつあります。そして今、イスラム教のハラールという厳格な基準が新たな食品や食事の基準として日本でも注目が集まっています。
イスラム法（シャリーア）
ムハンマドの言行録とされるもので、第一聖典のコーランと並んで第二聖典であるハディースがイスラム法（sharia）の基準となっています。
イスラム法は国際的にはシャーリアと呼ばれ、ローマ法を起源としないイスラム世界独自の法律です。実際に、シャーリアは禁止や義務だけではありません。
- やらなくてはいけないもの（義務）ワージブ
- やった方がいいもの（推奨）マンドゥーブ
- やってもやらなくてもかまわないもの（許可）ハラール
- やらない方がいいもの（忌避）マクルーフ
- やってはならないもの（禁止）ハラーム
上記のように、5段階に分けられています。
食事に関するマナーやルールもこのように体系化しで考えるとイスラム教の信仰がわかってきます。
イスラム教の食事
イスラム教の食事は基本的にイスラム法に則った食事でなければいけません。
ハラールという言葉が先行していますが、実際にはハラームでない食事であれば問題がないという事です。しかし、実際には学派によっても食事の解釈が違う事もあり、大きく動物、魚、植物（野菜や果物など）、飲み物の4つに食事を分けて説明します。
動物
肉食動物や雑食動物は基本的にアウトです。
豚を始め、人間に有害な物、不快感を与えるもの、病原菌など人体に害になるものなどは食事で禁止されています。また、牛、鶏、羊でもイスラム法で不浄とされるものを含んだ餌で継続的に飼育されたものやイスラム法に沿った食肉処理がされていない素材の食事は禁止とされています。
魚
魚は基本的に問題ありません。
しかし、人間に有毒であるもの、イスラム法で不浄とされるものを含んだ餌で継続的に養殖されたものは食事で禁止されています。一方で、イスラム教のおよそ1割を占める第2派（シーア派）のムスリムには、「鱗のない魚」はハラーム（禁止）とする人もいるので食事の際には注意が必要です。
植物（野菜や果物など）
自然に栽培された植物であれば食べることができます。
遺伝子組み換えをした植物、人間に有毒なもの、人間に不快感を与えるもの、無農薬野菜であっても、イスラム法で不浄とされる肥料を用いて栽培されたものは食事で禁止されています。
飲み物
アルコール入り飲料は禁止されています。
しかし、トルコをはじめとしたイスラム教の一部のムスリムでは比較的、自由に食事と一緒に飲酒をすることがあります。
食事を提供する際の注意
基本的に魚、植物は有毒でなければすべてハラールです。
キノコ、天然鉱物、物質、飲料はすべて有害でない限りハラールなのです。ただし、同じ家畜・水産物・植物でも、自然な状態の餌や肥料を与えられているものはハラールですが、イスラム法で不浄とされる餌を与えられた物は、ハラームになってしまします。
食事で注意したいのは、豚肉だけではなく豚由来の原料や食品添加物も摂取することがイスラム教のムスリムはできないのです。今や飲食店で提供される食事の原料として、豚はとても便利な存在であり、少なくとも185に及ぶ成分や物質に姿を変え加工され、使用されています。ゼラチン、乳化剤、動物性油脂、グリセリンなどはその代表的なものです。パッケージの裏に記載されているポークエキスとよく見かけませんか。
実際に、2000年にインドネシアで味の素の現地社長が逮捕されたという事件（材料としては豚の成分の使用は無かったが、発酵菌の栄養源を作る過程で触媒として豚の酵素を使用していた）もあります。このように、例えハラール食材を使っていても間接的な要因でもハラームと判断される食事があるので、十分に注意が必要です。
ラマダン（ラマダーン）
イスラム教の食事を考える際に忘れてはいけないのがラマダン（Ramadan）です。
ラマダンは飲食を断つ断食を意味しています。（正確にはヒジュラ暦における月の名をラマダンと呼ぶ）約1ヶ月に及び断食をする訳ですが、24時間断食をする訳ではありません。日の出から日没までの間です。一般的な断食と比べ、水を飲む事も許されません。
ムスリムにとってイスラム教のラマダンという考え方は、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人や平等への共感を育むことを重視する期間となります。また、共に苦しい体験を分かち合うことで、ムスリム同士の連帯感が強まり、多くの寄付や施しが行われる事からムスリムの義務でだと信仰されています。
ラマダンの期間はイスラム暦（ヒジュラ暦）の為、太陽暦にすると毎年同じ日にはなりません。イスラム教の食事を提供する、ムスリムと一緒に食事をする場合には、まず今年のラマダンの時期を確認、ラマダン中ならば、日の出から日没までを避けるよう注意しましょう。
イスラム教の食事は手食文化
イスラム教では手を使用して食事をする文化が一般的です。
食べ物を口に入れる前に手（指先）で味わうことから、道具を使用した食事方法よりも優れているとされ、道具（箸やフォークなどの食具）よりも良く洗った手の方が清浄であると考えられています。
イスラム教に関わらずインドのヒンドゥー教と同じように、浄・不浄の意識、正邪の区別をすることが宗教には一般的に見られがちです。正・善・力を右に関連させることもよく見られます。
イスラム教では、手そのものに浄・不浄の別はありませんが、概念としてポジティブなものには右で、そうでないものは左で対応する事から、右手・左手の、優・劣、吉・凶、浄・不浄などへの信仰として、右手に優位性を持つ習慣があります。
イスラム教の一般的な食事は多人数で食事をする場合が多いため、銅製などの大きな盆が食卓として使用され、絨毯を敷いた床上や低い台の上に置かれます。食事をする人々は盆を囲んで座り、右手の親指、人差し指、中指の3本指を使って食事を行うのがマナーとされています。複数人で食事をする際には、個人用の取り皿などは無いため、大盆から料理を一口分に丸めて口に運ぶのが一般的です。
まとめ
日本人（ムスリム以外）にとって、ハラームかどうかを判断するのは簡単ではありません。
ハラールの流行は現代社会（特に日本）にとって、「目に見える素材、実際に口にしている食事が果たして本当に安全なのか」という警鐘を鳴らしてくれているのではないでしょうか。
あとがき
イスラム教の食事を考える事で考えさせられることがあります。
手軽さやコストが優先され、ファーストフードやコンビニが今の日本の若者の当たり前になっている事。それを当然のように何も疑わない日本人は将来どのようなものを手にしているのでしょうか。
この記事へのコメントはありません。