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オウム真理教の死刑執行は正しかったのか。死刑執行前と執行後でオウム真理教の教祖である麻原彰晃は神格化され、その勢いは完全に失ってないのです …
特集の目次はこちらからどうぞ。↓
第2回 オウム真理教の死刑執行前と死刑執行後【麻原の神格化で勢いを増すカルト教団】
第8回 オウム真理教の修行内容は当時最先端の科学技術によって作られた
第9回 オウム真理教の幹部22人徹底調査【学歴・組織図・現在】
第10回 オウム真理教の娘たちの真相【4女と3女の両極端な心境】
第11回 オウム真理教のダーキニー写真まとめ
第12回 オウム真理教はアレフが継いだと言っても過言ではない?
総集編 オウム真理教で知っておくべき12の常識【特集まとめ】
オウム真理教の13人の死刑囚の死刑が執行されました。
果たして一件落着なのでしょうか、事の問題はそう単純で簡単なものではありません。カルト宗教、カルト教団の本当の恐ろしさは、教祖が死んで後に神格化されてから始まると言っても過言ではないでしょう。
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オウム真理教とは
オウム真理教とは日本犯罪史において最悪の凶悪事件を引き起こした宗教団体です。
オウム3大事件(護士一家殺害、松本サリン、地下鉄サリン)を始め、一連の事件で29人が死亡し負傷者は6,000人超と言われています。現在でもオウム真理教の後継団体である主流派(Aleph(アレフ)や山田らの集団など)と上祐派(ひかりの輪)に分かれて活動を継続しているため、公安調査庁による監視が現在も続いています。
一定規模以上に教勢を伸ばし、社会的に知られた教団教祖が死刑執行された事例はオウム真理教以外には存在しません。
日本の死刑制度
日本には死刑制度があります。
死刑判決確定の日から6か月以内に死刑の執行を命令しなくてはなりません。長期にわたって死の恐怖にさらさないようにすることが、6か月以内とした本来の趣旨でした。死刑は、絞首して執行するため落下の衝撃と自重で死刑囚の頚椎は骨折し、瞬時に意識がなくなり呼吸も止まって意識がなくなるので、苦痛はないとされています。
一方で、ヨーロッパの国々をはじめとして、世界では死刑を廃止・停止する国が増えています。死刑制度の維持が、凶悪犯罪の抑止につながることを示す証拠が少ないことも、廃止を進める要因の1つとなっています。国連では死刑廃止条約が採択され、世界の流れは死刑廃止に向かっていることは事実でしょう。
オウム真理教の死刑囚が死刑執行された日
オウム真理教の死刑囚は死刑執行済みです。
オウム真理教の一連の事件で教団の元代表 麻原彰晃、本名・松本智津夫元死刑囚ら7人は平成30年7月6日に、他の6人は26日に刑が執行されました。オウム真理教に対する強制捜査から23年余りがたって死刑囚全員に刑が執行された。
- 平成30年7月6日
麻原彰晃(松本智津夫)、早川紀代、井上嘉浩、新実智光、土谷正実、中川智正、遠藤誠一
- 平成30年7月26日
岡崎(宮前)一明、横山真人、端本、林(小池)泰男、豊田亨、広瀬健一
死刑執行方法
死刑執行方法は基本的に決まっています。
死刑執行の当日の早朝に、死刑執行の旨を死刑囚に伝えます。警備職員を含む刑務官らによって仏間に連れて行かれた死刑囚は、死刑執行命令書を読み上げられ、正式に死刑を通達します。仏間には教誨師(精神的平穏または倫理的な行為を目的とする役)のほか、検事や医師も立会い、総勢10名前後が同席します。
最後に遺書の執筆をすることも可能で、死刑囚に死刑執行命令書を読み上げたあとは白装束に着替えさせられ、頭から布がかぶせられ、周囲が見えない状態にされます。仏間からガラス張りの処刑室に連れて行かれた後、刑務官が手錠をし、足を縄で結び、首にロープを巻き執行の瞬間を待ちます。
死刑執行ボタンを押すと、床が開いて死刑囚が落ちていき、絞首刑となる仕組みとなっています。死刑執行ボタンは3〜5つあり、それぞれ刑務官がボタンを同時に押して死刑執行をしますが、実際に床を開かせるボタンは1つだけで、誰が押して絞首刑を実行したのかわからないように配慮されています。
死刑執行場所
死刑執行場所は1ヶ所ではありません。
一部の死刑囚は東京拘置所から全国6か所(東京・大阪・名古屋・仙台・福岡・広島)の拘置所や拘置支所へ移送され収容さていました。
東京拘置所では麻原彰晃(松本智津夫)死刑囚、遠藤誠一死刑囚、土谷正実死刑囚、端本悟死刑囚、豊田亨死刑囚、広瀬健一死刑囚ら6名の死刑が執行され、大阪拘置所では井上嘉浩死刑囚、新実智光死刑囚ら2名の死刑が執行され、名古屋拘置所では、岡崎(宮前)一明死刑囚、横山真人死刑囚ら2名の死刑が執行され、仙台拘置所では、林(小池)泰男死刑囚の死刑が執行され、福岡拘置所では早川紀代秀死刑囚の死刑が執行され、広島拘置所では中川智正死刑囚の死刑が執行されました。
オウム真理教の死刑執行前
松本死刑囚の06年の死刑確定後、東京拘置所周辺で聖地巡礼に近い動きが度々目撃されていました。
オウム真理教の後継団体では今もなお麻原信仰は続いています。オウム真理教の名物、集中セミナーは年3回行われ、在家信徒に対して松本死刑囚の説法のVTRを見せ洗脳(マインドコントロール)をしています。毎年3月には松本死刑囚の生誕祭が開かれ、全国の施設800人以上の信者を集めて幹部が松本死刑囚の偉大さを強調する説法を行っています。
オウム真理教の後継団体Aleph(アレフ)からは死刑執行前に一行政機関に過ぎない法務省及びその長たる上川陽子法務大臣は、麻原尊師らの死刑執行を強行しようとしていると避難し「取り返しのつかない重大な禍根(災いの種)となるでしょう」と公式発表しています。
オウム真理教の死刑執行後
オウム真理教の教祖を含め元幹部たちの死刑執行は、神格化に繋がります。
神格化につながれば、オウム真理教の後継団体にとっては勢いがつきます。テロ行為に準じる行為が神聖化され神話が出来上がると、ますますオウム真理教の世界観に狂信する人も少なくないでしょう。
麻原元死刑囚の遺体は象徴的な意味を持ち、遺骨や遺品が後継団体の正当性を示す象徴になる可能性があると言われ、神格化されれば遺骨を奪い合う内部抗争があったとしても不思議ではありません。実際に松本元死刑囚の遺骨をめぐり、四女と妻・三女陣営(法皇官房)が対立し内紛化に及んでいます。
神の一部(麻原彰晃の遺体)が仮にオウム真理教の後継団体に渡ったとすると、簡単に言えば教祖が死んで神になって戻ってきたことになりかねない訳です。そうすると、信者は更に増える可能性があるし、遺体が置いてある場所もしくは骨が置いてある場所が聖地化する可能性もあります。
まとめ
オウム真理教は教祖や幹部達の死刑執行で終わりません。
考え方によっては、今が本当に宗教的なスタートだと言っても過言ではありません。教祖が亡くなった後に、弟子が熱狂する姿は宗教に限らず明治維新と同じように熱心な信徒は決意を固めるに違いありません。
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あとがき
オウム真理教の後継団体は着実に勢いを増しています。
信者数はアレフが約1500人、ひかりの輪が約50人、アレフから分裂した新団体が約30人。3団体の中でもアレフが勢力拡大に熱心とされ、年間約100人の新規信者を獲得しているようです。注目したいのはオウム真理教の後継団体へ入信する新規信信者の8割が34歳以下の青年層で、うち6割が20代だということ。オウムへの抵抗感が少ない世代が勧誘されているので注意すべき。
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