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韓国の宗教事情まとめ
はいどうも、えらいてんちょうです。毎回島田先生に頼ってしまっているのですが、前ねちょっと深見東州さんの話をして、大阪っていうのは独特な宗教都市だよねと。東京にとっては一番近い外国だよねみたいなお話しをしていただいたと思うんですけれども。外国の話でいうと、近しい外国では韓国、韓国の宗教事情っていうのはどうなっているのか全く知らないんですけれども。その辺をちょっと今日は教えていただけますでしょうか?
島田;韓国はですね日本に仏教をもたらしてくれた国で、仏教の影響っていうのが非常に強いんですよ。だけど、歴史的に言うとやっぱり儒教の方がかなり勢力を持ってたし、支配階級っていう、両班っていう貴族階級ですよね。その人たちが儒教になってしまったんで、儒教の方が仏教よりも偉いっていう、そういう枠組みが出来てしまって。で、儒教から仏教を弾圧するっていうか。だから日本に比べたら仏教の力が弱いんですよね。特に最近の変化としては、これは戦後ですけど。高度経済成長の韓国版が起こった時にソウルに一極集中するわけですよ。ソウルにみんな来ちゃって、そのソウルに新しくやってきた人たちの多くがキリスト教に改宗した。大体30%を超えるくらいの韓国の人は今キリスト教徒。仏教よりも多いかもしれない。
儒教の影響って日本は結構少ないんですかね?
島田;儒教っていうのは集団を作ったりしなかったんですよ、日本では。教団がないから、考え方としては儒教の考え方を受け入れたけれど、宗教としては受容しなかったと。
あるいは仏教の一部として根付いていったという?
島田;こう、交じり合うような形でね。お葬式なんかも儒教と仏教の混合みたいな、そういうもんですから。で、韓国ではキリスト教がとにかく拡大した。日本では人口の1%くらいしかいないんですよ。それに比べたら30%って。
かなりですよね?
島田;相当ですよ。それはやっぱりね、仏教の力が弱かったので庶民の人たちが救いというところでキリスト教に期待したと。日本のキリスト教とかなり違うんですよ。どういうものをイメージしたらいいかっていうと、日本の新宗教を思った方がいいです。創価学会よりももっとなんかこう、まじないとか。韓国にまシャーマニズムっていうのがあるんですよ、死者の言葉を取次ぐとか、悪い霊を払うとか。そのシャーマニズムをキリスト教が取り入れちゃったんですよ。キリスト教の牧師さんにあたる人が実はシャーマンだったりとか。説教するときに神憑ったりとか、信者の人たちが神憑ったりとか。そういうような事が韓国のキリスト教であって、韓国のキリスト教徒の中でもインテリの人たちは「あんなものはキリスト教じゃない」って言ってるんですよ。だけど、庶民にそういう形で広がったが故に30%くらいまで拡大したんですよ。戦後新宗教が伸びましたけど、それに匹敵するのが韓国キリスト教であるという風に考えたほうがいいですね。
なぜそれはキリスト教だったのですか?
島田;キリスト教の中に福音派っていうのがあるんですよね。福音派っていうのはアメリカだとトランプを支持しているような、そういう人たちが福音派。具体的な派じゃないので、福音主義って言った方がいいのかもしれない。そういう人たちっていうのは神のことを絶対的に信じて、全てを神がやってくれるっていう風に考えちゃうんですよね。アメリカ以外の福音派になると「神に全てすがる」みたいなところを強調して「そうすればあなたは救われるんですよ」と。そうなってくると日本の新宗教と同じような神頼み的な傾向っていうのを持ってくるわけですね。だから仏教が抑圧されている中でそれに代わるものとして、キリスト教しかなかった。今の中国でもちょっと同じような傾向があるんですけど。
韓国発のキリスト教で有名なのは統一教会
統一教会とかもその流れになるんですかね。
島田;そうですね。韓国で生まれたキリスト教ってのもあるわけですよ。有名なのは統一教会。
今でいったら家庭連合ですね
島田;独自の聖書の解釈っていうのをやって、統一教会っていうのは「堕落論」っていうのを説いていましたよね。「人間っていうのは堕落しているんだ」と。「根本的に堕落していて、それを救うことができるのは真の父、母である」っていう教えを確立していって、それが教祖であるところの文鮮明夫妻であるっていう、そういう形になった。文鮮明っていう人が新たに現れることによってキリストが成しえなかった救いをもたらす。だから文鮮明が決めた結婚するってことがその堕落から逃れて神聖な生活を送ることができるっていうんで所謂合同結婚式っていうのが行われるようになったんですね。
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統一教会的な、キリスト教系新宗教というものは他にも色々出来たんでしょうか?
島田;摂理とか
あー、摂理もですか
島田;一時問題になった摂理とか、結構あるみたいですね。かなり独自の聖書解釈っていうものをする宗派が韓国の中では結構生まれてきて。それが勢力を持ち、しかも統一教会の場合には一方で勝共連合、共産党を批判する勝共連合。これやっぱり勝共連合の要素っていうのも大きいわけですね。それはやっぱりその南北に朝鮮半島が分かれてしまって、共産主義と対峙していると。それに対してどう対抗していいかっていうことで、そういう反共の運動っていうのができて、それと宗教が結びつく。「共産主義は悪魔である」と、そういう考え方をとることによって政治と宗教が結びついていく。そういうものが生まれたっていうのも韓国の大きな特徴じゃないですかね。創価学会も韓国では勢力を広げてますね。どういう風に韓国では受け取られてるか分からないですけれど、結構聖教新聞なんかを見てると韓国の創価学会の活動っていうのが紹介されている。
韓国のキリスト教も多様化
島田;色んな宗教が韓国の中にも生まれて、世代によって親は仏教、子供はキリスト教っていうパターンが増えた。ただ高度経済成長っていうのは韓国の場合には終わっちゃってるわけですよ。そうなってくるとソウルに沢山のひとが集まってくる状況じゃなくなったんで、キリスト教もある時点から伸びが止まってるんです。今ではですね、新宗教的なキリスト教から脱して、例えばカトリックに改宗するとかそういうような人も韓国の中では生まれてると、そういうふうに言われてますね。
現在の日本と被るようなこともありますね
島田;そうですね。仏教なんかもね、お寺は沢山あるんですけれど、日本に比べたら規模が小さいかもしれないですね。
韓国で起きている宗教問題
現在韓国で生じている問題とかっていうのは?
島田;財閥が韓国の中で強いですよね。その財閥が宗教団体とくっついているというか、財閥を始めた人が実は教祖。だから統一教会もそうですよね。統一教会も事業をっていうのをやっている所だから。セウォル号だっけか、あの沈没した船。あの船が沈没した事件がありましたけど、あの船を所有している人も実業家であると共に確か、宗教家だったりをやってる。そういうのがね、韓国っていうのは財閥っていうのが非常に力を持っているんだけど、その財閥の問題みたいなものが宗教っていうのが重なることによって更にややこしくなってしまう。
島田;パク大統領が捕まったりしましたけど、その時もやっぱり宗教絡み。
あー、なんかあの、霊能力者みたいな人に聞いて…
島田;そうです、そういう人に頼ってしまう傾向っていうのを持っているわけで。政治的な権力者・指導者が宗教に頼るっていうのは、大昔からずーっと続いているパターンで、そういう風にどうしてもなっちゃうんですよね。
島田;韓国では創価学会ほどの政治的な力を持ったところっていうのはないんじゃないですかね、はい。北朝鮮との関係とか、色んな複雑な要因が絡んでるんで、日本とは状況がかなり違うと思いますよ。
北朝鮮はもう基本的には共産主義で宗教は弾圧対象になるわけですか?
島田;そうですね。やっぱり共産主義国家にとっては宗教っていうのは危険なものという風にみなされているし、大体宗教団体っていうのは国際組織だったりするわけじゃないですか。創価学会だって創価学会インターナショナルっていう形で活動しているし、カトリックなんかになると世界が一つの組織ですから。
そうですね、たしかに。
島田;だから共産主義の国とこのカトリックの間の問題っていうのは、非常にいつも複雑。中国でも揉めてるし、バチカンのいう事よりも中国の言う事の方が通るっていう、そういう時代になってますから。
かなり難しい問題ですね。このチャンネルではこうだという結論は出さないことにしますが
韓国はキリスト教が優位、財閥や政治と密接な関係が
韓国の現代宗教事情ということで、キリスト教が増えてきた背景を教えていただきました。すごく勉強になったなぁという感じですね、個人的に。視聴者の皆さんも勉強になったんじゃないかなという風に思います。えらてんポイントは、3ということでですね。韓国の色んな事情がある中で、色んなことがバランス保って進んでいくといいですねということで。そういう期待を込めてですね、今日はご視聴いただきまして本当にありがとうございました。
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