ブードゥー教

ブードゥー教

(2019.05.22更新)

ブードゥー教の真実【呪い・ゾンビ・人形の三拍子】

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ブードゥー教には呪いの儀式やゾンビのルーツがあります。voodooの意味は知っていますか?ブードゥー人形は世界的に人気がありイグノーベル賞(経済学賞)も与えられ、知っている人も少なくないのではないでしょうか …


ブードゥー教は魔術の島という本にこう書かれています。

「ブードゥー教は蛇神を崇拝し、この神のために子供や娘たちを生贄にしたり、食したりする儀式を行う風習がある」と書かれていますが、果たして本当なのか、今日はブードゥー教の真実を紹介します。

ブードゥー教とは

ブードゥー教

ブードゥー教は主にカリブ海のハイチ共和国において信仰されている民族宗教です。

ブードゥー教はロア(Loa,Lwa)と呼ばれる多数の神的存在に対する信仰と憑依を伴う儀礼を特徴としています。ブードゥー教はハイチの黒人歴史から生まれました。16世紀にアフリカ社会にあった根強い部族宗教がブードゥー教の母体となり、植民宗主国であったスペインやフランスのキリスト教(カトリック)の影響を受けながらハイチで育ちました。

教義や教典がなく、儀式に太鼓を使いダンスや歌、動物の生贄(いけにえ)、神が乗り移る神懸かりなどがブードゥー教の特徴でしょう。

ちなみにハイチの国教はキリスト教カトリックです。しかし、カトリックの洗礼を受けた者の多くは同時にアフリカに期限を持つブードゥー教の信者でもあると言われ2つの宗教が共存しています。よく使われる表現で「国民の90%がカトリック、100%がブードゥー教」だと言われています。

voodoo(ブードゥー)の意味

ブードゥー教

voodooには意味があります。

voodooとは、ダホメーのフォン語で神々や霊たちを意味する言葉であるvodun(ヴォドーン)や、同じ意味を持つエウェ語のvuduo(ヴードゥオ)という言葉に由来します。ハイチでは現代でも同じような意味で使われています。

ブードゥー教としてのvoodooの意味は、18世紀のダホメーの奴隷商人によって付けられたと言われていますが、ハイチではこの言葉を悪化語とみなし、必要に応じて「ヴドゥ」や「ウォドゥン」と言った言葉を使います。

現在でも西アフリカの特定の地域ではブードゥー教の母体となった信仰が多少の変化を伴いながらも信仰されており、ハイチ以外にもアメリカ南部のニューオリンズなどでも信仰されています。

ブードゥー教の神

ブードゥー教

ブードゥー教の神はロアと呼びます。

ブードゥー教ロア崇拝とも呼ばれ、神ロアの数は400柱とも言われますが、実際には把握されていません。また、ロアはミステール(mystere)と呼ばれる事もあります。

ロアの上位には地域によってボンデュ(bon dieu)やボンディエ(bodye)と呼ばれる神が位置しています。この神は最高神としての存在ですが、はるかに離れた世界に住むとされ、神自身では人間やその世界には関わりません。

それぞれのロアはギリシャ神話の神々のような個性的な人格を備え、属性やそれらが司る対象、さらに好みの場所や供物、色、事物による小腸などが細かく与えられています。ロアに対する儀式は「憑霊」を最大の特徴とするが、それら構成する太鼓によるリズムやダンス、憑依時の仕草などもロアごとに異なると言われています。

ブードゥー教の信者は基本的に生涯を通して特定のロアに仕え、主に儀式によるそれらとの一体化を通して成功や幸福、安寧を願います。また、人々の神話的イメージでは、ロアたちは海の底に自分たちの世界を構えながらハイチと祖国であるギネーとを取り結んでいるとされていて、これらと通じることによって自らも祖国や祖先と結ばれるものと信じているのです。

ニューオリンズ(アメリカ南部)のブードゥー教

ブードゥー教

ニューオリンズのブードゥー教は少し特殊です。

18世紀後半にはニューオリンズを中心に近隣のフロリダやアラバマでもブードゥー教の信仰が広まりました。ブードゥー教で最も一般的な儀式は身体や精神の様々な苦しみを癒す目的で行われます。しかし、ハイチのブードゥー教に比べると呪術や医術的な側面に重点が置かれています。

信者は幸運を祈ったり、邪悪や不幸を追い払うという様々な呪物や護符(お守り)を身につけたり、目的に応じてそれらを使用しました。ブードゥー教で使われる呪物や護符(お守り)は、西アフリカのヨルバ族のジュジュ(ju-ju)に由来すると言われています。

ブードゥー教の呪いと儀式(黒魔術)

ブードゥー教

ブードゥー教には呪いがあります。

ブードゥー教では呪いに使う呪物はグリグリ(ワンガ)と呼ばれ小さな袋になっているのが一般的です。これらは主に呪いの儀式に則って祭壇に供えられます。その際、土(塩)、空気(香)、水、火(蝋燭の炎)と言った自然の四元素で清められる事もあります。

呪いで使う袋の中には石、小骨、粉、香草、油など使用目的に合わせて様々なものが入れられ、その数は1・3・5・7・9・13個とおよそ決められています。

具体的な用途と方法

ブードゥー教

ブードゥー教では、護符としてお守りにする場合に持ち主の髪の毛や爪、汗のついた布を。幸運を手に入れたい場合には磁石。賭け事に用いる時は革、赤いフラノ(フランネルの生地)、鮫の歯、松の樹液、鳩の血などが材料にされます。

愛を成就させるためには、香料で湿らせたデンプンの塊、角砂糖、鉄粉を入れた9つの袋を、それぞれ相手の名前を呼びながらリボンで縛り、それらを敷物の下、戸棚の後ろ、玄関の下あるいはドアの下あるいはドアの上などに置きます。

このような呪いは儀式として単独で行われる場合も多くあり、例えば憎む人物を死に至らしめたい場合は引き裂いた鳥から取られた羽をその者の枕に入れておく、喧嘩を仕掛けたい相手の家の戸口の階段にタールを混ぜた水をぶちまける、シトロネラ油を混ぜた水で家を洗うと店に客がよく入るようになる、といったようなものがあります。

その他にもカトリックの聖人が描かれた絵や十字架、人形、薬草、胡椒、酢、唐辛子、植物の根などを用いる事もあります。

アフリカの内幕(ジョン・ガンサー著)によると、ナイジェリアにはブードゥー教の呪いグッズを扱うお店があるようで、小さな金魚の死骸、棒に刺さった乾燥したハツカネズミ、オウムの嘴(くちばし)、羊の腸、蛇の頭部や毒牙、薬草で作られた幸運の粉が売られているようです。

ブードゥー教では、呪医(ウィッチドクター)と呼ばれる民間医療師がこのような呪い道具を利用して治療効果を上げる場合もあり、呪医はニューオリンズではルート・ドクターとも呼ばれ、多くの場合はブードゥー教の祭司でもあり、主に薬草、植物の根や種、香油などを調合して患者の病気や傷の治療を行っています。

ブードゥー教とゾンビ

ブードゥー教

ゾンビはブードゥー教から始まったと言われています。

ブードゥー教はハイチで再編されますが、その信仰の母体となったのは西アフリカ地方の各部族の宗教です。その宗教の1つでコンゴで進行さえていた部族宗教の神ンザンビ(Nzambi)から始まり、不思議な力を持つものとして畏れられてきました。そして、中米・西インド諸島に伝わる過程でゾンビと変化したようです。

ブードゥー教の言い伝えでは、ブードゥー教にはゾンビを作り出す儀式があると言われ、死体のゾンビ化はブードゥー教の司祭によって行われます。司祭は、死体が腐り始める前に墓から掘り出し、幾度も死体の名前を呼び続けます。やがて死体が墓から起き上がったところを、両手を縛り、使用人として農園に売り出すと言われています。

そのため、死人の家族は死人をゾンビにさせまいと、埋葬後36時間見張る、死体に毒薬を施す、死体を切り裂くなどの方策を採る風習があります。死体に刃物を握らせ、死体が起き出したら司教を一刺しできるようにする場合もあるという。

ゾンビパウダー

ブードゥー教

ゾンビを作るにはゾンビパウダーを使います。

ゾンビパウダーの主成分はテトロドトキシンで、この毒素を傷口から浸透させると仮死状態を作り出す事ができるため古来より医療分野でも使われてきました。ゾンビパウダーは濃度の調整が難しく、蘇生しゾンビ化(自発的意思のない仮死状態にさせる事)できず死に至る場合も少なくありません。

ブードゥー教の人形

ブードゥー教

ブードゥー教の人形は人気があります。

呪いに使うかどうは別にしてお守りとしても役に立つため、ブードゥー教の信者でなくても可愛らしい形のため買いたいという人が少なくありません。

根強い人気があってかどうかは判断できませんが、2018年カナダのウィルフリッド・ローリエ大学の研究者たちによって、ブードゥー教の人形についての実験が行われました。

内容は、パワハラ上司に対する仕返しとしてブードゥー教の人形で呪うことで、どのような効果があるかを測定。 実際にブードゥー教の人形を上司に見立てピンを刺したり、叩いたりといった行為を行ったグループの人たちは、職場でのストレスが軽減され、結果として職場のパフォーマンスを向上させる効果があったというデータが発表されました。

この研究結果は、2018年にイグノーベル賞の経済学賞を受賞しました。 イグノーベル賞(Ig Nobels)は、世界中の研究を対象に「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」に与えられる、言わばノーベル賞のパロディー版です。

ブードゥー教の呪文

ブードゥー教

ブードゥー教には呪文はありません。

特定の呪文によってではなく、ブードゥー教は儀式によって神であるロアと接触します。儀式は夕方から夜にかけて行われる事が多く、時には夜が明けるまで続けられる事もあります。

祭司はアソン(マラカスのようなもの)という鳴り物を持ち、太鼓でリズムをとりながら歌や踊りを行います。呪文ではありませんが、ロア(神々)を呼び出す詠唱(歌)があるので呪文の代わりに紹介しておきます。

アティボン レグバ、ルゥヴァリ バイェ プゥ ムゥエン
パパ レグバ、ルゥヴァリバイェ プゥ ムゥエン
ルゥヴァリ バイェ プゥ ムカパブ ラントゥレ
ロ マ トゥネン、マ サリエ ロアーヨ
ヴォドゥ レグバ、ルゥバリ バイェ プゥ ムゥエン
ロ マ トゥネン、マ ルメシエ ロアーヨ
アボボ!

まとめ

ブードゥー教は呪われた宗教ではありません。

確かに、ブードゥー教の知名度は呪術的な要素で認識されていますが、民族宗教とはそういったもので日本の神道(丑の刻参り)でも例外ではなく、世界中の宗教にはこういった負の部分があります。それは宗教として自然な形で、そもそも宗教とはそういった事も含めて宗教なんだという事を今一度思い出させてくれたのではないでしょうか。

あとがき

黒人への偏見によってブードゥー教も誤解されています。

ブードゥー教の儀式の大部分は踊りや歌で占められ、その過程の中で個々の崇拝者たちは、神霊に憑かれ、神霊の特徴とされる個性に特有の仕方で振る舞うように、神霊がさせると信じています。しかし、部外者から見ると黒人への偏見宗教的・政治的なプロバガンダの一環として、単なる民族宗教から黒魔術や妖術などと誤解されるようになったのです。

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